死神と少女

死神と少女

PSPゲーム
ブランド:TAKUYO
原画・キャラクターデザイン:すみ兵
企画・シナリオ:藤元
発売日:2011年7月28日
評価:★★★★★★★★★☆

ゲー ム紹介    感想    特典感想

【ゲーム紹介】

 遠野紗夜(名前のみ変更可能)は、作家である兄、遠野十夜に絵本を読 み聞かせてもらうのが好きな女の子。中でも兄の作った話が1番気に入っている。そんなある日、「今度の物語の主人公は、孤独な死神にしようと思っているん だ」と兄は話す。そして偶然、主人公は針の止まった時計塔の前で記憶喪失の死神に出会う。これは、死神と少女の美しい幻想の物語。

 1章ごとに物語が完結する、オムニバス形式のつくりとなっています。ストーリーを進めて言の葉(言葉の欠片)を集めると、周回プレイの際に新たな物語を見ることができます。また、入手した言の葉を組み合わせれば、ゲーム攻略の手助けとなる効果を得られることも。



【感 想

・まとめ
 プレイした感じ、”乙女ゲーム”っぽい内容ではなかったのですが、個人的には好きです。話の展開が気になって、プレイする手が止まりませんでした。期待していた通りの幻想的な世界観?が上手く表現されていたこと、キャラクター設定が斬新だったことが良かったです。
 黒の章、蒼の章共に兄が消えちゃうところで2度も泣いてしまいましたww滅多に泣かない私を泣かせたということで★10個にしようかと思ったんですが、糖度が低すぎて物足りないため★9個です。

・シナリオ[★★★★★]
 伏線が至るところに敷かれており、真実を知ると「あの時の発言や行動は、実はこういう意味だったのか!」と考えさせられる内容です。上手く騙されてしまいましたww
 作 中の「籠の鳥」などオムニバスの話だけでなく、「死神と少女」の話を上手く十夜兄さんと蒼に絡めているのもお見事。深く練られた設定とシナリオは非常に面 白かったです。複雑すぎて頭がこんがらがってしまうんですが、さまざまな解釈ができるようになっているのも魅力的です。
 絵本の内容自体もミステリアスな雰囲気に惹かれました。
 残念だったのは、会話の途中に主人公の動作が描かれ、テンポが悪くなってしまったこと。髪の毛をかき上げた〜とか、上目づかいに〜とか、ちょっと邪魔でした。

・キャラクター[★★★★★]
 複雑な設定がすごいです。日生先輩の正体は”日生先輩”として行動してきた詐欺師。十夜兄さんは死神で一部の人間にしか姿は見えない。蒼は実は死神にな りたかった普通の人間。そして、最もまともに見えた七葵君は、別の世界からやってきたイレギュラーな人間だったという…。こんな攻略キャラクター達は初め てですよ…!!
  序盤から主人公はビックリするような発言をするのですが、トラウマ持ちだということを知ると納得できます。しかし、その真実は終章の十夜兄さんか蒼を攻略 しないと分からないので、主人公を嫌って途中でゲームを放り出してしまう人も多いのではないかと…。私自身も最初「なんじゃこの主人公!?」と思いました からww元々雰囲気からして人を選びそうなのに、さらにとっつきにくいゲームになっちゃってるような感じですね。途中でやめちゃった人には、我慢して最後までプレ イしてみてほしいです。
 ちなみに、私が1番好きなキャラクターは七葵君です。まず、見た目からして好みだったけど、性格も良すぎwwでも、十夜兄さんも同情心なのか、なんだかんだ で気になっちゃいます、どうか消えないでいてほしい(泣)。ゲーム起動直後から主人公と兄はイチャイチャしてて気持ち悪かったけど、真実を知ってからはこれも許 せるようになりましたww
 しかし、兄さんの方に感情移入してしまったためか、蒼は敵に見えてしまいましたww人を殺してまで死神になりたいのかと。死神になりたい理由がもっと納得いくものであってほしかったな。
 このゲーム兄ちゃんとだけは異様に糖度が高いので、他のキャラクターも、もっとラブラブな場面が見たかったです!!ww

・絵[★★★★☆]
 綺麗です。でも、スチルの数が少ないです。しかも、スチルは差分なしのため一瞬で終わってしまうものも多く、もったいない…。立ち絵の種類は、いつものTAKUYOさんよりは多い気がしました。
 絵本の絵は、作品ごとに絵柄を変えており、それぞれ雰囲気が出ていて良かったです。…もしかして、絵本があるからスチル数減っちゃったのかな?

・演出[★★★★☆]
 主人公が経験している現象が画面にも反映されていてすごかったです。しかし、キャラクターがズームアップするとき、立ち絵がぼやけてしまうのが気になりました。
 珍しい演出面として、兄さんをクリアすると、タイトル画面が蒼と十夜バージョン交互に現れるようになっていてビックリしました。絵本の「死神と少女」が蒼と十夜の2人で成り立っているのだな〜と、ここでも感じられます。
 BGMの種類は多く、この作品に合っていて良かったです。オープニングムービーは見ていて鳥肌が立ちます。しかも兄さんの「俺が書こうと思っているのは〜」というナレーションが入っているのがまた憎いww
 声優さんは乙女ゲームのありきたりなキャストではなく、初めてお見受けする方(今まで知らなくてすいません)もいて新鮮でした。同じ声優さんばかりだと飽きてしまうので、こういうのは歓迎したいです。

・システム[★★★★☆]
 言の葉システムも中々面白かったです。周回プレイすると新たな選択肢が現れることがあったり、真相を知ることもできたり…。深層に言の葉を刻む というのは、もっと上手く活かして欲しかった気もします。言の葉の数が多い割には組み合わせても、効果のないものが多いです。しかも、深層に言の葉を刻ん で見るイベントの中には、わざわざ最初からプレイしないと好感度が低くて見られないものがあって不便です。
 システム周りはかなり整っております。基本的な機能はもちろん、オートセーブや巻き戻し付き。少しスキップが遅い気もしますが、次の選択肢にジャンプできる ので問題なし。片手プレイもできちゃいます。他のメーカーもこれぐらい機能が揃っていて欲しいものです。。。ただ、前作「カエル畑DEつかまえて・夏 千木良参戦!」に比べると、ちょっと全体的に動作がもっさり気味かも…?



【特典感想】

ドラマCD「白ずきんちゃん」(アニメイト特典)
 約16分。これは面白かったww十夜兄さん大勝利!!wwっていうか兄さん腹黒すぎる…こんなに黒い(CD自体は白色です)特典CDは初めて聞きましたww十夜兄さんが好きな方にかなりおすすめ。

サウンドトラック&原画集&オリジナルショッパー(アニメイト限定版特典)
  サントラ計72分程。OPもEDもフルで入ってて嬉しかった。しかも、歌詞付き(日本訳もあり)!買ってよかったです。原画集はガルスタで使われた絵の原 画も入ってました。薄っぺらく、ほんのおまけ程度です。オリジナルショッパーは落ち着いた色調で、使いやすい方だと思います。けどやっぱりいらないです。

ドラマCD「死神と黒猫」(メッセサンオー特典)
 約16分。子猫の貰い手を探すといった感じ。みなさん優しいです。内容がありきたりだったため、途中で飽きてしまった。

設定資料集&ブロマイド(メッセサンオー限定版特典)
  アニメイト特典の原画集に比べ、かなりしっかりしたつくりです。全ページカラーというのも嬉しい。ラフ画だけでなく、未使用の夏目の表情とかもあって面白 かったです。内容はあまりネタバレという感じはしなかったので、コンプ前に読んでも大丈夫だと思います。ブロマイドは可愛いけど、正直言うとブロマイドっ てあまりいらないんですよね…。




(2011年8月28日更新)
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